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第114話
「大司教は皇帝と争うほどの影響力を持ち、莫大な力を持つ存在だ。皇帝でさえ迂闊には手を出せない。とはいえ皇族に対して横柄なあの態度は目に余るものがある。ユフも間違いなく苦労するだろうな」
「ユフが私の従兄弟だということを知る者は少ないですからね。ユフとエリオット殿下の結婚に異議を唱えて反対するはずです」
「反対したとしても俺が婚姻許可の判子を押すから心配はない。こう見えても司教だし」
ザンザ―さんが自慢気に答えた。
「ザンザ―さんって司教だったんですか?」
驚いたような声をあげるアルさま。大司教の次にえらい人だとセドさまがこっそりと教えてくれたから僕も驚いた。
「見えないよね?みんなによく言われる」
ザンザ―がけらけらと笑った。
「実はセドリック殿下とサクの婚姻許可のサインも俺が書いたんだ。二人の結婚に賛成する派と、反対する派で神殿が真っぷたつに分かれてしまって、前の大司教はサインすることに躊躇っていた。俺はサクの人となりを知っていたからね」
「そうだったんですね。ユフに彼らとは距離を置き、なるべく関わりを持たないように言っておきます」
「その方がいいよ。まともに相手をしていたら命が幾つあっても足りないからね」
ザンザ―さんがやれやれとため息をついた。
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