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第116話

「バ―ジンロードを娘と一緒に歩くデュークが羨ましくてな。俺には娘がいないから一生叶わないと諦めていたんだ。だからサクが来てくれてどれほど嬉しかったか。夢が叶うんだ、泣かずにいられるか」 お義父様がハンカチで涙を拭った。 「良かったですね、殿下」 補佐官の男性がお義父様を宥めていた。 お義父様がこんなにも涙もろいとは思わなくて。驚いたけど、実の娘のように接してくれることがとても嬉しかった。 会場に続く廊下はスフィルさんとジュリアンさんが僕をエスコートして、お義父様にバトンタッチする。僕の後見人である二大公爵家を無下に出来ず揉めに揉めてやっと妥協した。 近隣諸国の君主と国中の貴族が招待されることになっているみたいで、帝都を守る警備もすでに厳戒態勢が敷かれていて、検問所では他国からの人の出入りに目を光らせ、身分証明書の提示と手荷物検査を念入りに行っているとセドさまが教えてくれた。 「父上、カドモス侯爵閣下の家門は全員参加されるんですよね?」 「今のところなんの連絡がない。サクを敵視しているとはいえ無下には出来ないからな。だから困っているんだ」 お義父様が深いため息をついて額に手をおいた。

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