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第118話
「皇后陛下とご友人たちに囲まれてかなり緊張されてほとんど飲み物を口にしていなかったようです」
「みな社交界に影響がある年上のご婦人ばかりだからな」
「初めて会う人ばかりなのにサクさまはご自分からお声を掛けたりととても頑張っていらっしゃいました。私の母と義兄上の母も同席しましたがあまりサクさまのお役に立てず申し訳ありませんでした」
「そんはことはない。サクも知った顔があり安堵したはずだ」
アルさまがやけに静かだなと訝しげに思いつつもチラッとベットを見るセドさま。
「抜け駆け禁止と約束しなかったか?」
「まだ、なにもしていないよ」
アルさまが嬉しそうに寝ている僕にむぎっと抱きついた。スフィルさんたちがいてもアルさまはまったく気にしない。まさに我が道を往くだ。
狭い部屋にぎゅうぎゅう詰めにされたみたいに身動きがとれず寝返りさえ出来ない。あれ、こんなに狭くて窮屈だったっけ?それに熱がないのに身体がやけに熱いよな……ハッとして目を開けると真っ先に視界に飛び込んできたのはセドさまだった。
「セドさま、おはようございます」
「おはようってまだ朝になってないよ。寝惚けているサクって本当に可愛いね」
優しく微笑むセドさま。
「サク、私には?」
不機嫌そうなアルさまの声が背中のほうから聞こえてきたからドキッとして後ろを見ると、眉を吊り上げているアルさまと目があった。
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