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第122話

「これはその……生理現象だから……」 アルさまが照れながら髪をくしゃくしゃと掻いた。 「そう。自然現象だ。若いっていいな。アルくらいの時、魔獣との戦いに明け暮れていて家族と仲間を守ることしか頭になくて。誰かを愛する余裕なんかなかった」 「またその話しですか?」 「いいだろう別に何回話しをしても」 セドさまとアルさまがお互いの顔を見るなりクククと笑い出した。 「殿下緊急事態よ」 扉が勢いよく開いてドタドタとゲリーが入ってきたら驚いた。咄嗟にアルさまがデュベイ(掛け布団)を頭からすっぽりと掛けてくれた。 「すみません殿下。止めたんですが……」 「申し訳ありません」 平身低頭謝るスフィルさんとゼオリクさん。 「猪突猛進はいつものことだろう。彼が大人しく話しを聞いた日があるか?」 「ないです」 即答するスフィルさんとゼオリクさん。さすがは双子。息がピッタリだ。 「外に何があるんだ?」 「いいから早く、早く」 「分かったよ」 ゲリーさんに急かされて、上半身裸のセドさまが髪をくしゃくしゃと掻きながらむくっと体を起こしベットから下りて窓に向かった。カーテンをさっと引くと、濃い紫色の霧に辺り一面包まれていた。 「さっきまでなんともなかったはずだ」 「そうなのよ。あっという間にこんな状況になったのよ。訓練場にいた子たちが次から次にバタバタと倒れて」 「本当か?」 「本当よ。嘘じゃないわ。殿下の邪魔をしたら切り殺されるかも知れない。緊急事態なのに命が惜しいのか、誰も行かないんだもの。アタシが突撃するしかないでしょう」 「陛下たちは?」 「今のところは無事よ」 「今のところは……か。分かった」 セドさまは急いで着替えるとゲリーさんたちと訓練場に向かった。

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