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第124話
クチュリエル子爵の娘として生まれたもの、母は小間使の身分の低い女。正妻から言い表すことができないほど母子ともに酷い扱いを受けてきた。でも聖女候補となってからはそれまでの生活が一変した。誰もあいつは私生児だからとうしろ指を指さなくなった。王子の妃になる未来を思い描いていたのに。異世界から突然現れた女が次から次に王子たちや側近たちを籠絡して、聖女の称号も王子も何もかも奪い去ってしまった。居場所をなくした私に対し父は相変わらず無関心で。興味なしで。いつものように冷たかった。そして親子ほど年が離れたカドモス侯爵との婚姻を命じた。私は初婚だったけど、カドモス侯爵にとっては四度目の結婚。娘と同い年の、ふた回りも年が離れた私を妻に迎えるのはさすがに気が引けたのか、養女として迎えてくれた。そしてカドモス侯爵の強力な後ろ楯を得た私は帝国で聖女として新たにいきる道を見出だしたのに。今度こそ皇子の妃になれると信じていたのに。よりによってあの女の、しかも男に皇子を取られるなんて。どうしても許せない。アルフレッド殿下は私のよ。あんたなんかに渡してなるものですか。
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