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第132話

「アルが王太子だったらまた違っていたのかもしれないな」 「私は王の器ではありません。無用な争いごとを避けるため自分から臣籍降下を願い出たのです。サクがそばにいてくれればそれだけで幸せです」 「サクを独り占めするとは。生意気なお子ちゃまだな」 「子どもではありません」 「十六歳はまだまだお子ちゃまだ」 「私はあなたよりサクを満足させられる若さと体力がありますよ。まだ十六歳ですからね」 いつものように仲良く口喧嘩をはじめる二人。 ごほんと咳払いしたのはお義父様だった。 「みな目のやり場に困っておるぞ」 まわりにいた侍女たちや護衛騎士たちが顔を真っ赤にしてあわてて視線をそらした。 「いいじゃありませんか。ダリルと私からしたら二人ともお子ちゃまですわ」 おほほとお義母さまが声を出して愉しそうに笑った。 「こんな非常事態でもサクちゃんを取り合って喧嘩が出来るんですもの。ダリル、もしかして私も仲間に入りたいなとかそんなことを思ってませんよね?」 図星だったのかギクリとするお義父さま。 お義母さまはなんでもお見通しだ。だからお義父さまはお義母さまにだけは頭があがらないみたいだった。

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