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第13話
「でも……」
「お前が俺のこと好きなら、いいよ。俺もお前のこと好きだし」
俺が嫌だったのは、気持ちが通じない行為だ。
気持ちが通じ合った今、抱き合わない理由がない。
「な、お前の挿れてよ」
怖い気持ちはある。
けど、ルドヴィックとつながりたい気持ちのほうが強かった。
「……わかった」
ルドヴィックが深くうなずいて、自身の衣服に手をかける。
ためらいなく衣服を脱ぎ捨てるルドヴィックを見て、俺もシャツを脱いだ。
「にしても、すごいな」
ルドヴィックの中心部にそそり立つソレは、俺のよりもずっと大きかった。なんか負けた気分だ。
「ノアムが可愛いから」
「……可愛くないし」
俺、リュリュに比べたら全然可愛くない。
拗ねたように顔を背けると、ルドヴィックが声を上げて笑った。
「ううん、可愛い。……ノアムは誰よりも可愛いよ」
両手で俺の頬を挟んで、強引に視線を合わせる。唇と唇が重なる。
ルドヴィックの手が俺の肩をつかむ。寝台に押し倒そうとするのを見て、俺は慌てて止めた。
「もしかして、後ろからのほうがシやすい?」
実際は知らないけど、前世で読んだマンガとかだとはじめてのときは後ろからしているイメージだった。
俺が首を倒して問いかけると、ルドヴィックはわずかに迷ってうなずいた。
「そうかもしれない」
「じゃあ、後ろ向くな」
うつぶせになり、振り向いた。ルドヴィックが息をのんでいるのがよくわかる。
「腰は……その、上げたほうがいいよな」
まだ恥ずかしいけど、我慢しなくては。
羞恥心をぐっとこらえ、四つん這いの体勢を取る。今度は振り向くことができなかった。
ルドヴィックの手が尻の肉をつかんで、開いた。すっかりほぐされた孔に、陰茎の先端が触れる。
「――挿れるよ」
首を縦に振ると、ルドヴィックの腰が動く。
「んっ」
先端を呑み込むのが苦しくて、自然と息を止めてしまう。
しかし、ルドヴィックが落ち着けるように頭を撫でてくれたから。何度か深呼吸をして、身体から力を抜こうとした。
「苦しい?」
大丈夫だと言おうとしたが、多分すぐにばれる。
俺がゆっくりうなずくと、ルドヴィックが片手を動かし、俺のモノを握った。
ゆるく勃ち上がったものを数回しごかれる。
「ちょっと、楽になるといいんだけど」
ルドヴィックがぐっと腰を進めた。
「――ぁっ!」
「先端、挿ったから……」
またぐぐっと腰が進んだ。
先端を呑み込むよりは少し楽だった。
(ふ、かいって。これ、どこまで来るんだろ……)
挿っちゃダメなところまで行くんじゃないか。
不安に襲われたけど、ルドヴィックとつながりたいという気持ちのほうが勝つ。
「ノアム、辛くない?」
「だ、いじょうぶ……」
ルドヴィックが動きを止めた。きっと、まだ全部挿ってない。
「ノアムがつらいなら、もうここで――」
「ダメだ!」
振り返って、ルドヴィックをにらみつけた。
「お前のモノ、最後まで受け入れたい。俺をお前のにしてよ……」
声は震えている。苦しみやつらさを隠しきれていない。
俺の腰をつかむルドヴィックの手に力がこもる。そして、ぐぐっと腰を押し進めた。
「ぁ、あっ」
「もう、少し――」
ルドヴィックがもう一度腰を押し進める。
すると、尻にルドヴィックの腰が当たる感触があった。
(これで、全部……?)
なんか変な感じだけど、心は満たされている。
俺、ルドヴィックと一つになれたんだ……!
感動する俺をよそに、ルドヴィックが俺の腰に指を食い込ませた。
「ノアム、ごめん」
なにに対して謝っているのかわからなかった。けど、すぐに謝罪の理由はわかる。
「ぁ、あっ――!」
ルドヴィックが腰を引いた。ずるずると腸壁をこすって抜けていくルドヴィックの肉棒に、ぱちぱちと快楽の火花が目の前で散る。
「や、だめ、いきなり抜かないでっ!」
「無理、ごめん。我慢できない」
俺の抗議に謝罪を返し、ルドヴィックはぎりぎりまで陰茎を引き抜いた。
それから、今度は一気に奥まで貫く。
「ひゃあっ――!」
背中が反る。ダメ、いきなりこんな抽送、耐えられるわけがない。
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