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第14話
「ノアム、ごめんね。あとでどれだけ怒ってもいいから――」
ルドヴィックが抽送を続ける。
まるで貪るみたいな遠慮のない動き。
「ひゃっ、ぁああっ!」
腕がぷるぷる震えて、四つん這いの体勢がつらくなる。
そして、ついに上半身はシーツの上に突っ伏してしまった。
「とめて、とめてよ!」
「無理、ごめん。気持ちいいから……」
ルドヴィックが俺の腰を持ち上げているせいで、尻だけを突き出す格好を取らされている。
恥ずかしい。でも、強すぎる快楽への恐怖のほうが怖かった。
「や、だめ、もうむりぃ!」
首を横にぶんぶんと振るのに、ルドヴィックは抽送を止めない。
むしろ、俺の身体が反応した部分を、容赦なく攻め立てた。
「ここ、いいんだよね。ほら、ナカきゅんきゅんしてる」
「――ぁあっ!」
そこは刺激されたら、おかしくなるって――!
言葉にならない声。快楽に思考が溶かされて、ドロドロに溶けている。
ルドヴィックのモノを締め付けて、絶頂を促している。
「っ、ノアム、ちょっともう無理かも――!」
ごつんと奥を穿った瞬間、ルドヴィックが俺のナカに欲を放ったのがわかった。
「うぁああっ――!」
同時に、俺も達した。
すでに何度か欲を吐きだしたためか、勢いはない。
白濁はこぼれるみたいにシーツに垂れた。
「抜くね」
ルドヴィックがずるりと肉棒を俺の後孔から引き抜いた。
敏感になった腸壁は、抜かれる刺激だけでも快楽を覚えてしまう。
ちょっとこすられただけで、また達した。
「ノアム、可愛い。またイっちゃった?」
ルドヴィックが俺の身体を仰向けにする。
しばらく俺の目を見つめて、唇にキスを落とした。
「こんな可愛い身体、俺以外には見せられないね」
ルドヴィックが俺の胸元に口づけた。赤い痕を付けて、満足そうにうなずく。
「大丈夫、俺、ルドヴィック以外には見せないから……」
愛し合うような行為は、ルドヴィックとしかしない。
ルドヴィックに向って腕を伸ばして宣言すると、ルドヴィックが何度か瞬きをした。でも、すぐにふわっと笑った。
「そうだね。俺もこんな行為ノアムとしかしないよ――」
俺が腕をルドヴィックの背中に回すとほぼ同時に、ルドヴィックが俺の右脚を持った。
戸惑う俺をよそに、白濁がこぼれている後孔にもう一度肉棒の先端を押し付ける。
「だから、もっとしようね。互いに満足するまで、しよう」
「ちょっと待って、おれ、は」
「ふふっ、もしかしたら、朝が来るかもね」
待って待って! 今、まだ昼過ぎなんだけど!?
「おれ、やすみたい」
「だーめ。あと二、三回したら一回休ませてあげるから、がんばって」
悪魔だ。ここに悪魔がいる。
俺の気持ちなど知りもしないルドヴィックは、肉棒をぐっと俺のナカに押し込んだ。
「可愛い。もっともっと、気持ちよくなろう。いっそ、溶けちゃうくらいに――」
どうやら俺は、推しのトラウマではなく――『最愛』になってしまったようです。
(こんな予定なかったけど――好き、ルドヴィック、好き)
ルドヴィックの身体にすがる。ぎゅうっと抱きしめる。
「好きだよ、ノアム」
言葉と同時に、奥を穿つルドヴィックに、俺の頭は溶かされていく。
このまま混ざり合ってしまうのではないかというほど、俺たちは激しく身体を重ね続けた。
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