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第1話 /04
サイモン・メイフィールドにはひとつ年の離れた腹違いの弟、セオドールがいた。彼は野心家で、玉座に執着していた。前王がこの世を去ると間もなくして跡目争いに発展した。
この争いが決着したのが一〇年前、苦戦の末、結果としてサイモン――つまりエマリーの父親が勝利を手にしたのだが、セオドールはまだ玉座を諦めてはいない。それどころか執着は増すばかりで、息子のユアンに自分の叶えられなかった王の夢を抱かせている。
こうして次期王として君臨することになるエマリーは王権争いの的になった。セオドールはエマリーを毒殺しようと企んだのだ。城内にいるセオドールの息のかかった何者かに命じてーー。
主犯格が分かっているのなら捕えれば問題ないと思うかもしれないが、けれども親戚が毒を仕込ませたという証拠がない。毒を仕込んだ相手が分からないのだ。しかも城内にいる誰かに狙われているとなれば事は深刻だ。もし、王家の絆は存外に脆いものなのだと外部に漏れてしまえば王家の存続にも関わる一大事。
それに、一〇年という年月が過ぎた今になっても本家と分家にわだかまりがあり、対立していることが公になれば、当然王家にも派閥が生まれる。
――また、長い戦いが始まってしまう。季節は春を迎える今、ただでさえ自然災害もある。こうして王家が崩れてしまえば被害を受けるのはいつだって無力な国民なのだ。
それに、国内だけの問題では済まされない。
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