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第1話 /05
メイフィールド国の特産物は主に鉄鉱石が多く産出される。鉄鉱石は貴重な物資のひとつで、そのことから隣国に狙われやすい特徴があった。メイフィールドは地続きの国家でもあったからだ。
それなのに、もし、城内で謀反を起こす人物がいると騒いでしまえば、他国はその僅かな綻びを利用するだろう。ほんの小さな火はたちまち大きな炎へと燃え広がり、世界規模へと発展する。足元を掬われかねない事態になる。
所詮は強欲な人間のこと。王権争いなんてどこの国にでも転がっている内情だ。由々しき事態は避けるに越したことはない。エマリーたち王族にしてもそんなことでいちいち騒ぎ立てていても仕方がないのが実状だった。
だからこそ、強くあらねばならない。
僅かに生まれた一瞬にできた隙の所為でこれ以上の犠牲者を出さないためにも。
魂も、肉体も――すべてをすり潰し、機能しなくなるまで。
たかが弱視で騒いでいる場合ではないのだ。
エマリーたち一行は慎重に、かつ急ぎながら森の中を進み行けば、やがて背の低いブルーベリーの木が目につくようになってきた。土は分厚いコケや地衣類によって覆われる。
ブルーベリーの枝々の隙間から、ほんの少し密集した民家の屋根が見えてきた。
果たして村人は無事だろうか、土砂に押しつぶされてはいないだろうか。エマリーは逸る気持ちを抑えて進んだ。
すると目指す先の方角から、何やら人の声が聞こえてきた。
何事かと耳をすませば、声は次第に鮮明に聞こえてくる。
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