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第1話 /11
マニオンのこういう行動は最近になって増えている。まるで女性を扱うような仕草に思えて仕方がないのは自分の思い過ごしだろうか。
「とにかく、無事だったんだからもういいだろう?」
エマリーは眉根を寄せてあからさまに手をひっこめた。
「それより、助かった。危ないところをありがとう」
エマリーは自分と少女を助けてくれた漆黒の騎士に礼を言った。
――そう、自分は感謝を述べたのだ。しかし男の口から出たのは皮肉以外の何物でもなかった。
「華奢なお嬢ちゃんには剣の扱いは難しいだろう」
軽蔑の眼差し。
見下したようなその眼と小馬鹿にした物言いにエマリーは始め、何を言われたのか理解できず、口をあんぐりと開けたまま言い返すことができずにいた。するとどこまでもエマリーに忠実な側近マニオンが割って入り、漆黒の騎士に意見する。
「無礼な、この御方はメイフィールド国の王子だぞ!」
その言葉に、エマリーははっとした。
知られてはいけない事実。今回はあくまでもお忍びで、自分は国王から命じられた一般兵として村の住民たちの安否を確認するための偵察に過ぎなかったのに、これでは騒ぎになってしまうではないか。
ざわつく周囲の中、しかし漆黒の騎士と共にいた騎士は驚きもしない。
彼は自分が何者であるかを理解して助けたというのか。
ならば、誰かに頼まれたのだろうか。
だとすればいったい誰に命じられてここまでやって来たのだろう。
――いや、そんなことはどうだっていい。
この男はエマリーを馬鹿にした。
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