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第2話 /04
昨日の出来事を思い出し、考察すればその分、苛立ちが増す。
この腹癒せをどうにかしたい。
せめてあの騎士二人を城に着く前に侮辱罪で捕えておけば良かったと今になって後悔する。
そうすれば縄を打ったあの騎士を王と顔合わせをすることもなく、とっとと自国へ帰らせることだってできたはずだ。
「王! なぜです!」
煮え切らない気持ちを抱えながら庭園に伸びる石畳に沿って歩いていると、突然マニオンの声が聞こえてきた。声はどこか焦りを帯びているように感じる。
この城で一二を争う剣の使い手である彼は常に冷静だ。その彼が声を荒げるなんて珍しい。
「あの男にエマリー様の護衛を任せるのはあまりにも野蛮ではありませんか! わたしは反対です!! 巷では『黒い悪魔』と呼ばれ、恐れられているのですぞ?」
耳を掠めたマニオンの言葉に、エマリーは眉根を寄せた。
この庭は実母であるナタリーが生前慈しみ、大切に育ててきた色とりどりの薔薇たちが今もなお蕾を宿している。あたたかな春の日差しを受けて美しく咲き誇るその姿を披露しようと今か今かと待ちわびているようである。
薔薇の蕾は朝露を纏い、空から降ってくる柔らかな朝日に照らされてダイヤモンドのような輝きを放っている。この幻想的な雰囲気をぶち壊すマニオンの癇癪がエマリーの心を掻き乱す。
エマリーは眉間に深い皺を刻ませる。
それにしても、マニオンは先ほど何と言っただろう。
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