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第2話 /05
マニオンの言う、『あの男』に引っかかりを感じたエマリーは生い茂った緑の葉に隠れ、二人の会話をよりはっきり聞けるよう、忍び寄った。
「お前が反対するのは目に見えていた。だからお前たちが城内にいないよう仕向ける必要があったのだ」
「王子とわたしを村に送ったのですね」
「……しかし、まさかそこで顔合わせをしてしまうとは……」
「今からでも遅くはありません。王、どうかお考え直しください」
マニオンの言葉に、サイモンは黙したままだった。
王の意志は固い。サイモンは一度決定づけた事柄に対しては頑なだった。たとえ相手が城内一、剣の腕前を誇る者の忠告であっても、けっして曲げない頑固な一面がある。
「王の決定はけっして間違いではないと思いますが? マクブレイン卿がどのような功績をもたらしたのか、貴方も知っておいででしょう?」
そう淡々と口にしたのは妻のピアシー・メイフィールド女王だ。
彼女は病弱な前妻のナタリーを世話していた医師の娘で、ナタリーが死去した後、サイモンの後妻に選ばれた。ナタリーの死後、王に寄り添い、献身的に支えた結果、見初められたのだ。
実母ナタリーや自分にはない金色の見事なまでの艶やかな髪と目鼻立ちがはっきりとした美しい顔立ちをしているから余計だろうか、顔色ひとつ変えないその表情と仕草は、まるで凍てついた氷のようだ。現にエマリーに代わって毒見をした部下が命を落としたというのに、顔色一つ変えることはない。
王もそうだが、女王もまた人の心を失った人間なのだろうか。
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