26 / 29

第2話 /06

「彼が何者であるかはもちろん存じております。鉄壁ともいえる砦に攻め入り、アモス・タウンゼント卿に勝利した、ヒース・マクブレイン卿の話は巷では有名です。王を玉座へと導いたのもたしか」 「ならば問題なかろう?」 「しかし! どうせ卑怯な真似をしての勝利に違いありません!」  サイモンの言葉を遮り、マニオンはなおも話を続けた。 「毒見役の死をその場で目にしたエマリー王子は今、お心を痛めておられます、いつどこでまた刺客が現れ、王子の命を狙うのかわかったものではありません!」 「わかっておる。だからこうしてマクブレイン卿を呼んだのだ」 「王よ! あの者は王が思っているほど信頼に値する相手でしょうか。どこの馬の骨かも分からない相手をみすみすエマリー様のお近くにおけば、ふたたびエマリー様の身に危険が及ぶやもしれません」 「マニオン、お前は先にも申したではないか、マクブレイン卿の功績は儂が王の座に就けた要因のひとつだと。あの者なしでは今の儂は存在してはおらんのだ」  両社は互いに引き下がる気配もない。  サイモンも堅物だが、マニオンもまた堅物だった。 「しかし、だとしても!!」 「そんなに気に入らないなら剣で勝負するか? お前が勝てばマクブレイン卿には国に帰ってもらう。マクブレイン卿が勝てば、エマリーの護衛役をしてもらう、どうだ?」 「父上! 勝手なことをお決めにならないでください!」

ともだちにシェアしよう!