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第2話 /07

 今まで草陰に隠れ、黙って聞いていたエマリーだが、突然の王の提案にエマリーはもう限界だった。居ても立ってもいられなくなったエマリーは二人の間に割って入った。  本人が不在の間に物事を決められるのはうんざりだ。  これ以上、自分のことで他人にとやかく言われたくはない。  エマリーは誰の操り人形にもなる気はなかった。 「王子、お行儀がなっておりませんわ、立ち聞きなど時期王が成すべき行為ではありません!」  ぴしゃりと言い放つピアシーはエマリーの立場を想ってくれたことなんて一度たりともない。  彼女は紛れもなく継母で、エマリーは所詮他人の子供。王子としていかにどう育て上げるかばかりを気にする女王だった。  この城では誰も自分をひとりの人間として考えてはくれない。王子という存在はそんなも人間らしい気持ちを抱くことも許されないのだ。  けれどもそのエマリーを唯一、ひとりの人間として想ってくれていたのが毒見役のホセだった。  なんでもホセは一人息子を二〇年前に亡くしたらしく、エマリーのことを実の息子のように可愛がり、時には親身になって叱ってくれた人物だった。  その彼をーー失ってしまった。  いや、失ったのではない。  彼の命を奪ったのはエマリーなのだ。  自分が毒など盛られることがないよう、絶対的な立場で権力を振るってさえいれば、彼は今も生きていた。エマリーが大好きだった、あの皺だらけの顔をさらに皺くちゃにして笑ってくれていただろう……。

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