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第2話 /08

 エマリーはホセが大好きだった。温かい目で見守ってくれていた彼はまるで本当の祖父であるかのようだった。  そうやって彼は母親を亡くして以来、孤独だった自分に寄り添い続けてくれたのだ。  名誉ある死だったと、残されたホセの遺族はそう言うが、エマリーは到底そうは思えない。  人ひとりの死に代わる命などないのだから。  過去は悔やんでも悔やみきれない。  自分の犯した罪は重く受け止めなければならない事実。だからこそ、誰よりも強くなければならないのに、弱視になってしまった弱い自分が恨めしく、初対面の人間にさえ女性呼ばわりされるほど剣もろくに振るえないのが憎々しい。  誰よりも一番許せないのは、エマリーを暗殺しようとした人物ではない。人生に甘え続けている自分自身だ。  エマリーは唇を噛みしめ、頭を下げた。 「これは失礼いたしました義母上、しかしわたしの身の周りのことを勝手にお決めになられるのはあまりにも残酷――」 「お前だけのことではあるまい。この国のためでもあるのだ。王子たるお前が国王に口出しすることではない」  エマリーがピアシー王女に向け、抗議した発言を遮り、叱責したのはサイモンだった。  彼はいつもこうだ。息子エマリーの意見を聞かず、勝手に話をすすめる。  すべては民のため。国のため。  サイモンの言葉はエマリーの亡き実母、ナタリーも口にしていた言葉だった。  彼女は病弱でありながら心の強い気丈な王女でもあった。誰よりも民を慈しみ、国を愛していた。

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