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季節外れの台風-2
「洗濯でもするかぁ……」
大きく伸びをし、完全に目を覚ました俺は洗面所へ行くと、カゴに積まれた洗濯物を洗濯機の中へと突っ込んだ。
と、同時に、ポケットの中にあるスマホから大きめの音がした。
「はあ……、休日の朝から誰だよ」
うるさく鳴るその音に作業を中断し、仕方なしに画面を確認すると、母親からだった。
「え〜、なんだろう」
久しぶりに聴いた着信音に心臓が激しく動き、通話ボタンを押しながらもう片方の手で胸元をさすった。
消音モードにしていたつもりだったのに、昨晩いつのまにか触って解除してしまったのだろうか。
まだ夢の中にいる彼女を起こしてしまうかもしれないと、寝室から離れているにも関わらず少し慌てる。
「……もしもし?」
「あ! 航大 ? もしもし!」
スマホからは少し高めの声が聞こえ、そのトーンから大した話ではないとすぐに分かった。
急ぎだったら、深刻な話でないときは突然電話をしないでほしいと伝えているのに。
「母さんさあ、電話だと大事っぽいから、いったんメッセージにしてって言ったよね?」
「ええ? ああ……、そんなことを言われたような気もするけど、まあ、母さんの好きにするわよ」
けらけらと笑う声が耳から頭にかけて響く。朝から元気すぎだろ。
「……はあ、で、朝から何?」
「何? 昼のほうが良かった?」
「いや、そういう話ではなくてさ。まぁいいや、それで? どうかしたの?」
マイペースな反応にややうんざりしてしまう。
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