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季節外れの台風-18

「全然違うよ。翼は絶対嫌がらないよ。お兄ちゃんに懐いてたし、今でもずっとお兄ちゃんの話してるよ。確かにここ数年、航兄に彼女ができてから会ってなかったけど、でもそれまでは年に数回は会ってたじゃん? 今さら気まずいとかはないでしょ?」  いや、だからどうしてそうなる!? どうして伝わらないんだ!?  小春、お前の大切な幼なじみの未来を潰す気か!? あと俺の未来も!  小春に対して俺は目を見開き、それ以上何も言うなと圧をかけてみるけれど、小春はそれに気づいておらず、母さん側に立ったまま動こうとしない。  このままだと完全に流されてしまう。俺の家なのに、誰も俺の話を聞いてくれる人がいない。 「いや数年会ってないのはでかいって。気まずさしかない。それに翼だって彼女できたら家に連れて来れないし、俺だっていつかまた彼女ができて結婚とかするかもしれないだろ。さすがに4年一緒はきつい。せめて最初の1年だけとか、そのくらいだろ」 「大丈夫、翼は彼女いないよ」 「そういう話じゃなくて」  ああもう、どうして分かってくれないかな!? と思いながら、髪をくしゃくしゃにしていると、電話を終えた母さんが戻って来て、俺の肩を母さんがトントンと叩いた。 「あんたもう、結婚はしばらく考えなくて良いんじゃない? できなさそう……」  さらりと、とんでもない爆弾発言をしてきた母さんは、そのまま「ね?」と俺に共感を求めてくる。  母さんも、つい最近まで俺の結婚を楽しみにしていたよねえ!?  わざわざできなさそうって言うか!?

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