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一体なんなんだ?-1

「翼、今日もバイト?」 「今日もバイトだから遅くなる。航大も遅いの?」  朝、バタバタとネクタイを締めながら翼に声をかけると、キッチンのほうから返事が聞こえた。  これまでは俺が早く起きて朝食を準備し、それから華に声をかけていたけれど、俺より早起きな翼がいるせいで調子が狂ってしまう。  多少寝過ごしてしまっても良いと安心感があるのか、自分でもよく分からないけれど、一度目の目覚ましで起きられない身体になってしまった。  最後に洗面所で鏡を見ながら髪を整える。 「今日は俺もわりと遅めかな。21時くらい」  キッチンにいる翼のもとへ行き、一応顔を見てそれだけ伝えると、急いで鞄を手に取り玄関へと向かった。   「航大、待って。あのさ、今日の夜、もし家で食べるなら、作り置きを冷蔵庫に入れておいたからそれでも食べて」  俺を追いかけて、翼も玄関へとやって来た。デカめの身体でエプロンをつけているそのギャップに、思わず笑いがでる。  こういう姿には可愛げを感じるし、翼との生活は何だかんだ楽しさもあるが、結果的に俺だけが楽しているような状況になってしまっている。     俺が料理をすることもあるけれど、そういう日は翼がバイト先でまかないを食べて帰って来ることが多いし、何より俺は翼のために作り置きをしているわけではない。  たまたま作って、余ったものを翼が食べている。けれど翼は、自分の余りを俺にくれているのではなく、俺のために使っているような印象を受けるし、作り置きの品数も豪華だ。

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