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一体なんなんだ?-6
「こう……ね……る?」
時間は分からないけれど、何となく目覚めそうな感覚はあるから、朝が近いのかもしれない。
後ろから翼の声が聞こえたような気がして、まだ重い瞼をほんの少しだけ開けると、真っ白の壁が視界に入ってきた。
壁を認識できるくらいの明るさだから、やはりもうそろそろ起きる時間か、翼の熱は下がっただろうか、そんなことを思いながら、翼のほうを向こうと体勢を変えようとしたとき、背中側のベッドが沈んだ感触がした。
え……?
その重みで、さっきまでぼんやりしていた意識が急にはっきりし、何度か瞬きをする。
「航大……寝てる……?」
いつも俺の寝起きが悪いから、翼は俺が寝ていると思っているのかもしれない。わざわざこうして起きているか確認されることはこれまでなかったし、翼が俺のベッドに入ってきたこともない。
何をするつもりなのかと想像もできないからこそ、ここで起きてるぞー! と起き上がって良いのかも分からず、俺は再び目を閉じると、できるだけ自然に聞こえるように呼吸を意識した。
「いつも起きないもんな」
こんなに呼びかけても起きないのか、と俺が爆睡していると思い込んでいる翼は、くすりと笑った。
熱が下がって、それだけ元気になれたのは良かったなと思いながらも、心臓の鼓動が少しずつ速くなっていく。
俺が動揺していることも知らずに、翼はそのまま俺のお腹へと手を回し、後ろから抱きしめてきた。
距離が詰められて感じた翼の体温は、寝起きで少し熱っているものの、昨日よりは随分マシになっている。
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