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聞いてしまった責任-5

 久しぶりにふたりと楽しく過ごせればと思い、長くいられそうな店にしたけれど、安かったからか学生が多かった。  失敗したかもと思い、ふたりに謝ったけれど、「別に良くない?」とけろっと返される。  案内されたテーブルのすぐ斜め後ろに学生の団体がいて気まずかったけれど、ふたりは「ちょっと待って安すぎない?」とはしゃいでくれていて、まあいいかと思えた。  そういえばここらへんって翼のバイト先に近くないか?   スマホを取り出し、翼のバイト先の名前を検索すると歩いて5分くらいの場所だった。 「何見てるの?」  マップを開いている俺のほうを、和田が覗き込んできた。ちゃっかり彼女の隣をキープしている中川も同じように覗き込んでくる。 「あ、翼のバイト先が近かったかもって」 「翼? ああ、同居人の子ね」 「えっ、じゃあその店にすれば良かった?」 「いや、どうせ今日はバイトしてないし」  翼のバイト先もおいしそうな居酒屋だけれど、さすがにその店に行くわけにはいかないだろう。だって恥ずかしいし、と思いながら、「もういいだろ」と話題を変え、パネルで飲み物を注文した。 「ねえ、その子との写真ないの?」 「俺も見たい。大学1年生だよな? お前若い子に付いていけてんのか」 「はあ? うるせえな」  揶揄われている気がして絶対に写真を見せたくないと思いスマホを隠すと、和田が唇を突き出し、「ケチケチケチケチ!」とうるさい。  和田が全てな中川もそれに乗っかって一緒にケチコールをしてくる。

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