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アイツのアレが俺にも?-7

◇  母さんが電話で言っていた通り、俺宛に荷物が届いた。  中には季節の果物がたくさん入っていて、男のふたり暮らしを考慮してか、袋麺や炒めてタレをかけるだけの簡単調理! のパッケージ袋もわりと多めある。  段ボールから中身を出し、野菜室や収納棚に片付けていると、「ちょっと出かけてくる」とどこかに出かけたはずの翼が、思いの外早く帰宅した。 「翼、おかえり。もう戻って来たの?」 「……あー、うん。受け取りに行っただけだから」  後ろに何か隠したようにリビングへと入ってきた翼は、そのまま冷蔵庫を開けた。  何をしているんだ? と思いつつも、母さんから送られてきた荷物の整理で忙しい俺は、翼に構うことなく作業を続ける。 「これ、もしかしておばさんから?」 「そうそう、果物も送ってくれてるから、後で一緒に食べような。袋麺もあるから、夜食にしていいから」  母さんはそのときの衝動で購入したのだろうけれど、段ボールの中身がなかなか整理ができないほど入っている。  とりあえず床に全て出して、それから仕分けし、翼と一緒に片付けることにした。  パスタやトマト缶まで入っていて、さすがにスーパーで買うが? と笑いながら、きっと母さんなりにあれこれ考えてくれたのだろうと気持ちも温かくなった。

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