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アイツのアレが俺にも?-13

「どうして聞くの? 嫉妬した?」  翼が再び唇が重なりそうな距離まで詰めると、上目遣いで俺を見た。  よく女子がアピールのためにするような、そんな可愛らしい雰囲気ではなく、少し睨まれているような、そんな強さのある上目遣いに戸惑う。 「……はあ? そんなわけないだろ」  嫉妬と言われると、それは違う! と言いたくなり、視線を逸らして否定する。 「俺に元カノがいたと思う? 折り紙を誕生日プレゼントで渡すくらいの歳から翼のことが大好きだったのに?」 「えっ……」  思わぬ発言に、逸らした視線を戻してしまうと、翼がさらっと唇を重ね、それからフッと笑った。  さっきから何回する気だ! と言おうと思ったタイミングで、「それを言ってほしくてわざと聞いたの?」と笑われ、また主導権を握られてしまったと項垂れる。 「ちがっ……」 「こんなにうまいキス、どこで覚えてきたの〜、誰としたの〜、って気になったから聞いたんだ?」 「……なっ、はあ!? 違う!」 「間があいたから図星かあ。そっか、航大は俺とのキスで気持ち良くなったんだ?」  自分では否定したつもりだったのに、実際に少しだけ言われた通りのことを思ってしまったから、数秒間あいてしまい、そこを意地悪く突かれる。 「バカ言うな!」 「バカなことなのかな?」  とにかく喚くしか方法がなく、翼に向かって吠えていると、そんなことでは何も動じない翼が、俺の下半身へと手を伸ばし、あそこに触れた。 「……っ」   

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