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アイツのアレが俺にも?-18
◇
誕生日のプレゼントのお礼も兼ねて、週末に今回は俺だけで実家へと帰省することにした。
それに合わせて小春も帰ってくるようで、久しぶりに家族が揃うと、少し嬉しい気持ちになる。
「ただいま」
「航兄! おかえり!」
予想通り、先に実家に着いていた小春が、ものすごい勢いで玄関にやってくると、そのまま俺に飛びついてきた。
「改めてお誕生日おめでとう!」
「え?」
小春からもメッセージはもらっていたのに、わざわざ玄関で? ときょとんとしていると、小春はラッピングされた小さな箱を俺の前に突き出す。
「はい、誕生日プレゼント!」
「ええ?」
これまでも当たり前に祝ってもらっていたけれど、こういうちゃんとしたラッピングでもらったのは何気に初めてかもしれない。
「私もバイトを始めて稼いでるからね! これまでみたいにお菓子だけ、とかじゃないんだよー!」
得意げな小春が輝いて見える。
「まじで……? 本当にもらっていいの? 小春、ありがとう」
「いいのいいの! 早く開けてみて!」
とはいえ、俺はいつまで玄関にいれば良いんだろうか。
母さんもそうだけれど、俺の家族はみんな衝動性が高い気がする。
翼と暮らすことを決めたときも、この間の誕生日の仕送りも、そして今も。
「小春、今すぐにでも開けたいんだけど、ここ玄関だからさ、せめて部屋に上がってからでもいい?」
俺の言葉にハッとした小春は、「へへへ」と笑いながら、リビングへと去って行った。
いや、去るほどではなくない? 一緒にリビングに行けば良いのに。
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