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アイツのアレが俺にも?-21

「ああ、でも、翼の気持ちは知ってるよ。ずっと前からね」  コホン! とひとつ咳をこぼし、小春が自分の胸を叩いた。 「……え? まじで?」 「ずっと相談受けてたしね。翼は本当に健気で一途だから」  ずっと相談を受けていたという小春の言葉が、翼の好意をさらに重いものにする。  一体翼はどんな想いで俺に向き合い続けていたんだろう。俺が翼とあまり関わらなくなったり、まともに連絡を取っていない間も……。   「ところで、この反応としては、翼の好意の種類がどれかってのは、ちゃんと航兄も知ってるってことだよね?」 「……まあ、うん」  これまでの翼の言動を振り返ったからか、自分でも眉間に皺が寄っていることに気づいた。 「それなのに、翼を追い出さないのはどうして?」  さっきまで笑っていた小春が、急に真面目な表情になる。  どうしてって言われても……。 「そもそも、翼に相談されていて、小春は応援してたんじゃないの? だからあのときも、翼が俺と住めるように協力したんだろ?」 「そうだよ」 「それなのにまるで、翼を追い出してほしいみたいな言い方するじゃん」  何が言いたいのか分からない小春に、さらに眉間の皺が濃くなる。 「追い出さずに仲良く暮らしてほしい気持ちはあるけど、でも、はっきりしないと翼が可哀想とも思っちゃうんだよね。航兄は翼の気持ちを受け入れる可能性はないの?」

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