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アイツのアレが俺にも?-28
変わらず、自分でもどうしたらいいのかは分からない。でも、翼が俺に対して与えてくれた言葉が嬉しくて、それに心が動いたことは確かだ。
「俺って、翼に流されてる? これでいいのかな」
「流されたとしてもいいよ、嬉しい。そのまま流されて、溺れてって」
翼の襟を掴んだままの俺の手に、翼は自分の手を重ねた。
俺の胸元に押し付けていたはずの手は、俺の後頭部へと回され、ゆっくりと翼のほうへと引き寄せられる。
「航大、好きだよ」
「……知ってる」
俺は翼にされるがままに、キスを受け入れた。
回された手は、後頭部から背中へと滑り、シャツの中へと進んでいく。
「この間みたいなことはしないから、航大の肌に触れるのは良い?」
「……ん」
服を脱がされ、上半身裸になると、翼の視線を感じ、急に恥ずかしくなった。脱がされた服で隠すと、そのシャツを奪われ、遠くに投げ捨てられる。
「……あっ、」
「ちゃんと見せて」
翼も器用に服を脱ぐと、同じように床に投げ、それから俺の胸元にキスを落とした。
「まだ心臓、うるさいね」
「……っ」
「しばらくこうしてていい?」
変わらずソファに寝転んだままの翼に、重なるようにして体重をかける。
肌と肌が触れ合って、境目が分からなくなる不思議な感覚に身を委ねながら、呼吸する間も惜しいくらいにキスを繰り返した。
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