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男前な彼-1
年末年始は一度だけ華を連れて帰ったことがあったけれど、それ以外はひとりで帰省していた。
それなのに、今年は翼とふたりで帰っているから不思議だ。
別々でも良かったけれど、翼が一緒が良いと強く希望し、断る理由もないからと車に乗せて帰っている途中で、美香さんから連絡が入り、俺の家で集まっていると知らされた。
「両家族が集まっているところにふたりで入っていくの、気まずくないか?」
美香さんからのメッセージを読み上げてくれた翼にそう言うと、「結婚の挨拶みたいだから?」と笑われる。
「ふざけんなよ」
「俺はいつでも本気だけど?」
「そういうのウザいって」
ここで下ろすぞと脅せば、翼はわざとらしくしゅんとして大人しくなった。
「今日は俺の家で集まるとして、寝るのは実家じゃん? そこからあと3日間、何して過ごすんだ?」
俺の家に帰り着くのが夕方だから、夕食はみんなで食べるんだろうけど、さすがに家も近いし、美香さんと翼が泊まっていくとは思えない。
今日以外の予定は何も決まっていないし、翼とも一緒に過ごそうと約束もしていないから、地元の友人らと久しぶりに会うのかな。
「一応、友達に初詣に行こうって誘われてるから、それは行くかな」
「ふうん」
「航大は?」
「俺くらいの年齢になると、それぞれ家庭があるし、集まる予定は立ててないかな」
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