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男前な彼-2
家族と過ごす以外の予定がない俺と、まだまだ地元との繋がりも強い翼とで、何だか少し寂しく感じつつも、「俺が帰る時間に合わせられるなら、帰りも一緒に帰れるからな」と伝えた。
もしもっと遅い時間が良いとか、やっぱりあと1泊するとか言い始めたら、俺は容赦なく置いていく予定だ。
「航大と一緒に帰りたいけど、航大が帰ってくれるかは分からないね」
「は? 時間を合わせてくれるなら帰るに決まってんだろ。置いていくわけないじゃん」
「……今は何も知らないからそう言えるんだよ」
「え? 何かする気なん?」
怖いこと言うなよと睨むと、思っていた反応とは違って、翼は何か考え込んでいるようだった。
「翼? どうした?」
本気で何かするつもりなのか? と考えてみても、俺は翼じゃないから分からない。
それに、何かするイコール身体に触れられるくらいしか想像がつかないし、帰省の間に俺とふたりきりでいる時間も少ないのだから、そういうことではないのだろう。
……じゃあ何?
「まじで何?」
「とにかく、それでも俺といてくれるなら、初詣も一緒に行きたいな」
「よく分かんないけど、翼次第ということで」
「頑張るわ」
「だから何を?」
翼が何も言わないから、意図が分からないまま車を走らせ続けた。
赤信号の度に隣の翼を見て、表情から予測しようと努力したけれど、結局実家に着いたタイミングでも分からないままだった。
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