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男前な彼-13

「で? 航大は?」  まだ状況を飲み込めていない俺だけが立っていると、寿司を頬張りながら母さんが俺を見つめた。 「俺はって言われても、そもそも翼はまだ19歳だよ? 俺はもう28歳だし、そういうところは気にならないの?」 「翼くんももうすぐで20歳になるし、いかがわしいことをしているわけでもないだろうし、ふたりが決めたならそれでいいんじゃない?」  いかがわしいことはしています! と言えるわけもなければ、冷静に考えて俺は19歳相手に何をしているんだと、頭がそればかりになってしまう。  何も返せないで固まっていると、翼が「あの」と間に入った。 「俺は別に周りから攻めて航大とどうこうなりたいとか、そんな気持ちで話したんじゃないんで。何かあったとしても原因は全て俺にあるって知ってほしかっただけ。航大に無理をさせたいわけじゃないから」 「……まあ、そうね。ふたりのペースでね。どうなるにしろ、母さんは応援するから。翼くんかっこよかったよ」  最後にもう一度、母さんが翼に向かって拍手をし、今度こそこの話は終わったようだけれど、俺だけ終わった感覚が持たずに、それ以上寿司が入らなかった。  公開プロポーズをされ、今後は俺の返事に注目が集まりそうだ。  そもそも、俺はどうしたいんだっけ? どうすべきなんだっけ?  翼の好意が俺にも移って、流されて、それで……。  溺れた先には何があるんだろう。

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