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可愛いと思ったら負け-20
「何か敷いてからすべきだったな。ソファが死んだわ」
全てを終えて、ぼーっとしていたけれど、ソファに大量に散っている透明や白く濁った液体が目につくと、一気に現実に引き戻される。
翼はウェットティッシュで軽く拭いた後、ソファのカバーを外し始めた。
本体にもうっすら染みているような気もするけれど、拭いて消臭除菌スプレーでもかけておけば良さそうだ。
「何もする気がなかったのに、航大が煽ったからだろ?」
「俺のせい?」
「当たり前じゃん」
「は? ウザ」
文句を言い合いながらも、翼は俺を抱きしめ、隙あらばキスをしてくる。それをかわすこともなく、全て受け入れ、最後には俺からキスをした。
「ピザ頼む?」
「うん。俺もう決めた」
翼の希望のピザと、ポテトやチキンのサイドメニュー、飲み物まで注文すると、混んでいるのか1時間待ちだった。
それまで何しようかと思って翼を見たけれど、上半身裸で、ズボンが途中まであるとはいえ、下半身ほぼ丸出しの翼を見ていると、自分のほうがさらに恥ずかしい状態だと思い出す。
「とりあえず、風呂入るか」
俺が先にシャワーしていいか? と聞けば、翼が俺の手を引っ張り、「待って、一緒に入りたい」と言う。
男ふたりで入るには少し狭い気がするが、今日は俺の翼可愛いフィルターが壊れてしまっているせいで、何を言われても可愛く思えて仕方がない。
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