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どうしてこうなった-1

「航大、もう1本いい?」 「腹壊すなよ」  エアコンが欠かせない季節になり、外に出ることもなく、買ってきたアイスを冷房の効いた部屋で食べながらごろごろと過ごしていた。  翼が旅行を計画してくれてから1年が経ち、今度はふたりで話し合って行き先を決めようと、お互いスマホを見ながら候補を出し合う。  暑い時期から少しずらして、今度こそテーマパークでも良いんじゃ? と思ったけれど、翼は「航大が待ち時間に耐えられなさそう」という理由で却下してきた。 「失礼じゃない?」 「すぐバテそうだし」 「だから時期をずらそうって言ってんじゃん」  翼が楽しめるようなところが良いと思って提案しているのに、翼は俺を気遣って行き先を決めようとするから、全く噛み合わない。  俺は待ち時間も耐えられるし、何より喜んでいる翼が見たいんだが? 「……俺、翼と行きたかったのにな」  あからさまに肩を落とし、翼に背を向けると、背後から「え?」と戸惑う声が聞こえる。  よしよし、引っかかったな、と笑って待っていると、予想していた通りに翼が後ろから抱きしめてきた。 「俺と行きたいの?」 「……うん」  あと少しで落ちてくるぞと構えていると、軽く頭を叩かれ、引っかかるかよと怒られた。 「……何で?」 「航大下手くそすぎ」 「はあ?」  バレてしまったのなら仕方がないけれど、俺がこれだけのことをしているんだから大人しく乗っかれば良いのに。

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