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どうしてこうなった-14

「航大はどうなんだよ! あの女とやり直すんだろ!?」  それなのに翼は、俺の肩を掴み、無理やり振り向かせた。  それだけではなく、信じられない言葉を口にする。  俺が誰とやり直すだって? 「……はあ?」 「だからあのとき押し倒されて、抱きしめたりなんかして……」  俺が華に飛びつかれて、倒れたときのことを言っているんだろうけど、あのとき俺がどんな想いでいたのかなんて、ちっとも想像してくれないんだな。 「抱きしめたわけでないし、やり直す気もないけど、翼は松山さんと始めるみたいだし、もう俺のことはお前に関係ないよな」  こういうことが言いたいわけじゃない俺の本当の気持ちも、翼には伝わらない。  うまくできない自分が悪いのは分かっていても、それでも悔しくて、惨めで、涙が溢れた。  今度こそ翼に背を向け、すぐにその場を離れたくて全力で走った。  久しぶりに翼の顔を見て、お互いに顔を見れば何となく元の雰囲気に戻れるんじゃないかって、そう期待していた分、心臓が壊れてしまいそうなくらいに痛い。  涙も止まらないし、噛み締めすぎて歯も痛い。  翼が次に戻ってくるとしたら、残りの荷物を受け取りに来るときかも。  既に教材やいくつかの服は、俺が仕事の間に取りに来たようで、翼の部屋からはなくなっていた。  次に会うときは、完全にさよなら? 家族ぐるみの付き合いに、俺と翼が参加することもなくなるのかな。

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