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溺れて沈む-4

「はあ? そこまで待てないし、この部屋で最後の思い出作りしよう? だいたいさ、俺は航大の気持ちを確認した日にやりたかったんたよ? でもあの後は家探したりとか、家具家電見たりでそれどころじゃなかったし、ようやく叶うのに」 「……わ、分かったよ、早口で喋るな」  絶対に考えを曲げない翼に俺のほうが折れると、「何だかんだ、航大って俺に甘いよね。お礼に俺がナカを洗ってあげるから」と、ニヤリとした。 「……やだよ、自分でするよ」 「やり方分かるの?」 「はあ? ちゃんと調べたわ」 「調べたんだ?」 「調べないとやれねえだろ」  そんなことくらいできるのにと、バカにしてるのか? 「そうだけど、なんか調べたって聞くと、航大も俺としたい気持ちがあったんだなあって」 「……うるせえ」  翼の発言の意図が分かり、少し前に突っかかた自分に後悔する。  来週で良くないか? と言っていたくせに、ずっと前から楽しみにしていましたと、そう言っていることと同じだ。 「まあそうだよね。だって何の準備もしていないときから、俺のちんこ挿れてーって泣いてたときあったもんなあ」 「それ以上言うなら今日だけじゃなく、今後一生しないぞ」 「航大はそれで耐えられるわけ?」 「お前いい加減にしろよ」  思わず頭を叩くと、仕返しだと言って、翼は俺の尻を撫でた。 「許して。後でめちゃくちゃ気持ち良くしてあげるから」 「もういいわ、お前うるさすぎ!」

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