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「これは……良いんじゃないか!?」
そこには、栗色のショートヘアが爽やかな、色白のアンドロイドが笑っていた。
若葉色のシャツに隠れた胸は薄く、白の7分丈ジーンズから伸びた脚はすらりと細い。
こちらに向けて開かれた手は、まるで健人においでと言っているかのようだった。
しかも、安い。
他のものに比べて、30万円以上も安い。
「どうして、こんなに安いんだろう。ジャンク品なのかな」
『サイバーライン社製・家庭用アンドロイド・U-X710HS・T-omega』
「型落ちなのか? タイプは、オメガ。素直な子だと、いいな」
よし、と健人は購入手続きへと進んだ。
ピンからキリまでではあるが、新品は高額だ。
フリマなら、中古が安価で手に入る。
「サイバーラインなら大手トップだから、中古品でもメンテナンスしてくれるだろう」
手続きは、あっけないほど簡単に終わり、健人は小さく息を吐いた。
「何だか、ドキドキしてきたぞ」
それに、プロポーズ失敗のダメージが、半分ほどに減っている心地がする!
「あぁ、早く届かないかなぁ」
発送された品物が到着するまで、健人は胸を高鳴らせていた。
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