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そして、運命の日。
有給まで取って、健人は到着を待った。
「こんにちは。宅配便でーす」
「はい!」
健人は、飛ぶように受け取りに走った。
大型サイズのプロテクターケースを受け取り、リビングへと転がす。
キャリーで楽に運べるとはいえ、確かに人一人分ほどの重さが感じられた。
「さて、と」
わくわくしてケースを開けると、緩衝材の上に空色の封書があった。
「保証書かな。それとも、取説?」
開いてみると、そこには青いインクでしたためられた、肉筆の文字が並んでいた。
『この子を選んでくれて、ありがとう。
名前は、由宇(ゆう)といいます。
どうか、幸せにしてあげてください』
それは、送り主からの心のこもった手紙だった。
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