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祝いの夕食後、由宇はお風呂に入りたいと言い出した。
「大丈夫? 由宇くん、シャワーやバスタブ使って、壊れたりしない?」
「平気です。バスタブでは、100まで数えるんですよね」
「いや、そういう意味じゃなくって!」
「そんなに不安なら、健人さんも一緒に入りますか? お風呂」
思いがけない由宇の誘いに、返答に詰まった健人だ。
しかし、ためらったのは一瞬だけだった。
「うん。一緒に、お風呂に入るよ」
せっかく、こんなに素敵な子が来てくれたのだ。
すぐに失うなど、考えたくも無かった。
(様子がおかしいようなら、すぐにバスルームから出そう)
そう用心し、シャワーを使いながらも由宇の方ばかり見ていた。
素裸になった由宇も、ひどく美しかった。
なめらかな白い肌が、湯をはじく。
蒸気でほてった頬が、愛らしい。
洗い髪が張り付いたうなじは、匂い立つようだ。
目が離せなくなってしまった健人に、由宇はそっと背中を向けた。
「あまり、見ないでください。……恥ずかしいです」
「あ、え、ご、ごめんね」
由宇は濡れても壊れない、とは解ったが、健人は鼓動が速まる気配を覚えていた。
(恥ずかしい、なんて感情までインプットされているのか。それにしても……)
妙に色っぽいよな、ともう一度チラ見した由宇は、のんびりと100までのカウントを始めていた。
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