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滑らかに踊り、軽やかに刺激してくる健人の舌を、由宇は受け入れていた。
(あぁ、これもキス。これが、ホントのキス。何だか、どんどん……)
興奮してきた、と健人には伝えた、由宇だ。
ほんのさっきまでは、確かにそうだった。
(でも、興奮とは少し違う。それだけじゃなくって、別の何かがある)
愛される悦びや、切ないほどの想い。
それを知るには、由宇のAIはまだ経験不足だった。
だから、ただ健斗を真似た。
キスに応えて、彼がするように舌を絡めた。
口づけに夢中になった由宇は、健人の他の動きに気付かなかった。
キスをしながら健人は上手に、由宇のボタンを一つ、また一つと外していたのだ。
そして少しずつ、彼を覆うパジャマを解いていった。
露わになった、由宇の白い滑らかな肩。
そこを健人は、大切に撫でた。
腕を慈しみ、腰をさすり、脚を愛でた。
気付いた時には、由宇はすっかり素裸になっていた。
「あれっ? なぜ僕は、裸なのでしょうか?」
「気が付かなかったの?」
「待ってください。リロードします」
「いや、それは必要ないよ……」
健人は甘く囁くと、由宇の素肌にキスを始めた。
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