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『僕は、セクソイドの機能も搭載されています』  そんな由宇の言葉を、健人はちゃんと覚えていた。 (だったらアンドロイドでも、ちゃんと射精できる)  そう冷静に受け止め、さらに喜びも味わっていた。 (由宇くん、感じてくれたみたいだ。良かった)  風俗で何度か、セクソイドのサービスを受けたことのある、健人だ。  彼ら彼女らは、ヒトとのセックスが可能なように造られているアンドロイド。   汗をかいたり、体液をこぼしたりできる機能を持っている。  すでにそれを経験済みの健人は、由宇の射精に驚いたり、取り乱したりすることは無かった。 (由宇くんは、タイプ・オメガだ。だったら、ここも……)  さらに健人は腕を伸ばし、由宇の後膣に指先で触れてみた。  思った通り、そこはオメガの愛液で潤っていた。  ゆっくり指を埋めると、由宇が小さく跳ねた。 「あっ……!」 「どうする? ここも、体験してみる?」  由宇は、初めてためらった。 (何だか僕、ひどくのぼせて。これ以上続けると、もっと思考が乱れてしまいそう)  だけど、ぞくぞくする。  この先にある何かを、覗いてみたくなる。 「健人さん……続けて」 「由宇くん」  恥ずかし気に顔を逸らしてはいるが、意地を張っている様子ではない。  そんな由宇を心底愛おしく感じながら、健人は彼の体を拓いていった。

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