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瞼と唇を薄く開き、快楽に溺れかけていた由宇は、寄り添ってきた健人のまなざしを受け止めた。
「由宇くん。あの、その」
「健人さん、僕。僕は。あぁ……これが、気持ちいい、という感情ですか?」
体だけでなく、ブレインもひどく乱れています、と由宇は訴えた。
「でも、不思議です。もっともっと、何かを得たいという欲求が、奥底から湧いてくるんです」
「その、何か、を。私が君に、与えてもいい?」
「できるんですか、健人さん」
「満足してもらえるかは、やってみないと解らないけど、ね」
由宇は健人に、こくりとうなずいた。
無言だが、表情は穏やかで、笑みを浮かべている。
あなたにお任せします、と瞳で語り掛けてくる。
「じゃあ、行くよ?」
健人の声は、高揚感で少し震えた。
指で慣らした由宇の秘所が、誘ってくる。
紅く染まり、濡れて光り、惑わせる。
まるで初めての時のように、健人は緊張していた。
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