33 / 256

2

 瞼と唇を薄く開き、快楽に溺れかけていた由宇は、寄り添ってきた健人のまなざしを受け止めた。 「由宇くん。あの、その」 「健人さん、僕。僕は。あぁ……これが、気持ちいい、という感情ですか?」  体だけでなく、ブレインもひどく乱れています、と由宇は訴えた。 「でも、不思議です。もっともっと、何かを得たいという欲求が、奥底から湧いてくるんです」 「その、何か、を。私が君に、与えてもいい?」 「できるんですか、健人さん」 「満足してもらえるかは、やってみないと解らないけど、ね」  由宇は健人に、こくりとうなずいた。  無言だが、表情は穏やかで、笑みを浮かべている。  あなたにお任せします、と瞳で語り掛けてくる。 「じゃあ、行くよ?」  健人の声は、高揚感で少し震えた。  指で慣らした由宇の秘所が、誘ってくる。  紅く染まり、濡れて光り、惑わせる。  まるで初めての時のように、健人は緊張していた。

ともだちにシェアしよう!