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「ぅあ! あ、あぁ、あ! はぁ、あぁあ!」  健人からの精をその身に受け止め、由宇は声を上げて悦がった。  何、これ。  体の中、熱い。  ひくひく、勝手に動いちゃう……! 「由宇くん。私は、ここだよ」 「健人、さん。健人さん……ッ!」  由宇のAIがエラーを起こさないように、健人は彼を抱きしめて声を掛けた。  肌をさすり、髪を撫で、その頬を手のひらで温めた。 「大丈夫かい?」 「んっ、ぅん……。んぅ、う……」  強く緊張していた由宇の体から力が抜けて、やがてうっすらと瞼を開いた。  瞳は、健人を映している。 「由宇くん。初めてをくれて、ありがとう」 「健人さん……素敵なヒト……優しいヒト……」 「ふふっ。照れるなぁ」 「これが。これが、セックス、なんですね?」 「うん。愛を確かめ合う方法の、ひとつだよ」  由宇の唇は、愛、との形に動いたが、声は聞こえなかった。  瞼が閉じられ、彼はそのままスリープモードに入って行った。 「おやすみ、由宇くん」  健人はそっと由宇から離れ、ベッドサイドからウェットティッシュを取って、後始末を始めた。  とても温かく、安らいだ気持ちで、由宇の体を清めてあげた。

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