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 優秀なAIを持つ由宇ほどではないが、健人も美的センスはある方だ。 「でなければ、企画デザインの仕事はできないからね」 「健人さんの選んでくれる服は、どれも素敵です」  フォーマルはもちろん、トラッド、カジュアル、スポーティ。  トレンドに、ノームコアに、エキセントリック。  顔立ちや姿かたちの美しい由宇は、何を着ても似合う。  健人と由宇は、まるでファッションショーのように楽しんだ。  もちろん、ルームウェアやパジャマも買った。 「オーラルケアも?」 「アンドロイドの僕でも、雑菌の繁殖には弱いんです」 「なるほど、確かにね」  そんな生活用品も揃えながら、由宇はふと文具が欲しいと健人にねだった。  日記をつけたい、というのだ。 「健人さんとの毎日を、綴りたいんです」 「嬉しいこと、言ってくれるね」  自称・ゼタバイトクラスのデータ容量を持つ、という由宇だ。  そんな彼に、わざわざ肉筆で日記を書く必要が、あるのか。  疑問はあったが、健人はその気持ちを尊重した。 (由宇くんには、由宇くんの考えがあるんだろう。きっと)  そして最後に食材を買い込んで、二人のショッピングは終わった。

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