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「ウソ……長谷川さん……7億円……?」
常識外れのオタク男子と、小馬鹿にしていた健人が、実は大金持ちだった。
この衝撃の事実に、美咲は呆然としていた。
何かの間違いだ、と考えようと頑張った。
しかし、記憶をたどれば思い当たる節が、たくさんあるのだ。
「デートは全部、長谷川さんの奢りだったしぃ」
高級ディナーも、ドームライブも、一流ホテルのアフタヌーンティーも。
そして、一瞬だけしか見てはいないが、ダイヤモンドのプロポーズリング。
「あれって、絶対1カラット以上はあったよね……」
付き合ってもいないのに、いきなりプロポーズ。
しかも、そのプロポーズリングは、大粒のダイヤモンド。
「あの時は、どんだけバカなの、って笑ったけど」
でもだけど!
「ヤだ! そんなのダメ! もっと私に、貢いでよ!」
もう一度、絶対に健人を夢中にさせてみせる。
そして、たくさんブランド品を買ってもらう。
「それに、長谷川さんイケメンだからぁ。彼氏、乗り換えちゃうのも……アリかな?」
大金に目のくらんだ美咲は、自分勝手な考えを膨らませ始めていた。
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