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第十四章 膨らむ気持ち
由宇は、健人が好きだ。
そして今夜、もっと好きになった。
(健人さん。吉井 美咲とのお食事を、途中でやめて駆けつけてくれた)
彼女にジェラシーを覚えて、不調に陥った、由宇。
健人は、そんな彼を心から心配し、すぐに帰宅したのだ。
「だから僕、健人さんに御礼がしたいんです」
「御礼だなんて、大げさな。私はただ、由宇くんが大切なだけだよ」
少し、焦った口調の健人だ。
なにせ彼の前には、素裸の美しい由宇が迫って来るのだ。
ベッドの上で、煽って来るのだ。
「僕、健人さんにフェラチオしてあげようと思うんです」
「待って。由宇くん、ちょっと待って」
行為がどうこうという前に、健人は由宇の言葉に耳まで赤くなった。
「あの、さ。その、少し恥ずかしいな」
「フェラチオが、ですか?」
「いや、それもだけど!」
全くこの子は、毎日私を驚かせ、焦らせる。
ベッドの上で正座して、健人は由宇に向き合った。
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