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性に関するあからさまな単語を、顔色一つ変えずに喋る由宇に、健人はプチ説教した。
「そういう言葉は、なるべく大っぴらには使わない方が良いんだ」
「今は健人さんしか、聞いてませんよ?」
「もう少し濁した、柔らかい表現はないかな」
「えっと……。健人さんのペニスにキスしたい、とかですか?」
「はぁあ! もっと赤裸々になっちゃったよ!」
まるで少年のように照れる健人に、由宇はにっこり微笑みかけた。
「大丈夫です。健人さんにしか、こんな言葉は使いませんから」
つまり、口でさせてください、って言えばいいんでしょう?
そんなことを、天使のような顔で吐くのだ、由宇は。
「由宇くん。解ってて、私をからかったね!?」
「ふふっ。ようやく気付きましたか?」
「もう!」
「でも、口で愛してあげたいというのは、本心です」
由宇は、ゆっくりと健人の胸を両手で押し、ベッドのヘッドボードにもたれさせた。
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