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「さっきの男。長谷川、だっけ? 彼が、7億当てた人?」 「そうだよぉ。すごいでしょ!」  大輝と美咲は、赤肉メロンソフトクリームなど舐めながら、話しをしていた。 「お金持ち、っていいよね。気持ちにも、余裕があってぇ。大人、って感じ!」 「俺の前で、他の男の話なんかするな」 「でもぉ。素敵なんだもん、長谷川さん」  プライドの高い大輝の神経を逆なでするには、これ以上ない美咲の煽りだ。  この政治家のヒヨッコは、すっかり熱くなってしまった。 「成金が、俺の美咲を誘惑しやがって」  いや、誘惑しているのは、美咲の方なのだが。  そして健人は、彼女のことなど眼中にないのだが。 「見ていろ、美咲。俺だって、金持ちになってやる!」 「えぇ~? 無理しないでも、いいよぉ」  たとえ大輝が金満家になったとしても、どうせケチな性分は変わりっこない。  美咲は、そう考えていた。

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