116 / 256
5
「うぁ、あぁ。け、健人、さん。お、お願いぃ!」
「甘イキだけじゃ、満足できない? じゃあ……」
じゃあ、中に。
「中に、思いきり出しても、いい?」
「お願い! 早く、早くイかせてぇ!」
由宇の甘い悲鳴を合図に、健人は激しく動き始めた。
ローションと、オメガの体液が鳴らす水音が、由宇だけでなく健人をも昂らせる。
「健人さん! い、一緒に!」
「いいよ。一緒に、イこう」
「んぁ、んぅ! ふッ、うぁ。んんあぁ!」
「好きだよ、由宇くん……」
二人、ほぼ同時にオーガズムに達した。
抱き合い、震え、身も心も一つに溶け合った。
呼吸を整えながら、健人はもう一度だけ念を押した。
「私が今、愛してるのは。由宇くん、君だけだからね」
「ん……」
健人に柔らかな髪を擦り付けながら、由宇はうなずいた。
「大丈夫です。僕、何だか瑞紀さんに会うのが、楽しみになってきました」
高校生の頃の健人さんって、どんな少年だったんだろう。
そして、それを知る瑞紀さんって、どんな人なんだろう。
(健人さんが愛した人なら、きっといい人……)
腕枕に頭を預け、由宇はかすかに微笑んでいた。
ともだちにシェアしよう!

