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「うぁ、あぁ。け、健人、さん。お、お願いぃ!」 「甘イキだけじゃ、満足できない? じゃあ……」  じゃあ、中に。 「中に、思いきり出しても、いい?」 「お願い! 早く、早くイかせてぇ!」  由宇の甘い悲鳴を合図に、健人は激しく動き始めた。  ローションと、オメガの体液が鳴らす水音が、由宇だけでなく健人をも昂らせる。 「健人さん! い、一緒に!」 「いいよ。一緒に、イこう」 「んぁ、んぅ! ふッ、うぁ。んんあぁ!」 「好きだよ、由宇くん……」  二人、ほぼ同時にオーガズムに達した。  抱き合い、震え、身も心も一つに溶け合った。  呼吸を整えながら、健人はもう一度だけ念を押した。 「私が今、愛してるのは。由宇くん、君だけだからね」 「ん……」  健人に柔らかな髪を擦り付けながら、由宇はうなずいた。 「大丈夫です。僕、何だか瑞紀さんに会うのが、楽しみになってきました」  高校生の頃の健人さんって、どんな少年だったんだろう。  そして、それを知る瑞紀さんって、どんな人なんだろう。 (健人さんが愛した人なら、きっといい人……)  腕枕に頭を預け、由宇はかすかに微笑んでいた。

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