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健人の言葉に、由宇はやはり震えて、一粒の涙をこぼした。
「僕。僕……嬉しい……」
「可笑しくないかな。変な奴だと、軽蔑しない?」
「誰が、そんなことを思うもんですか」
泣き笑いの由宇は、改めて健人に深い恋心を感じていた。
(なんて、純粋な。そして、おおらかで熱い魂を持っているヒトだろう)
「僕は、幸せです。健人さんに恋をして、良かった。本当に、良かった」
「由宇くん、ありがとう」
二人は、ベッドに横たわったまま抱き合い、唇を重ねた。
何度も、何度でも、甘い恋人同士のキスをした。
このまま、モーニングエッチになだれ込みそうな雰囲気だ。
実際、健人は唇を、由宇の首筋に這わせようとしていた。
その時だ。
突然に、由宇が目を見開いて、跳び起きた。
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