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 まずは、由宇が口火を切った。 「僕と乃亜さんが入れ替わって、健人さんと一緒に脱出する、というのはどうでしょう」  その後、どうするのか。  これには、やや物騒な提案がくっついて来た。 「乃亜さんの頭脳と、健人さんの財力とで、無敵の兵器を造るんです!」 「ゆ、由宇くん?」 「そして、この特別研究所を破壊し、圭吾さんと僕とを救出してください!」 「由宇くん、それはちょっと乱暴だよ!」  健人は焦った。  しかし乃亜は、しきりにうなずいている。 (やっぱり、この二人は過激だ!)  どうやって、由宇に破壊行為をやめさせようかと考えかけた時、乃亜が両手でバツ印を作った。 「とても良い案だけど、却下」 「どうしてですか?」 「もし僕たちが踏み込む前に、由宇が偽物とバレたら、すぐに君は消されてしまう」 「あ……」  確かにそうだ、と圭吾は首を縦に振った。 「それに兵器なら、この施設もある程度は備えている。由宇も、兄弟たちと戦いたくはないだろう?」  圭吾の言葉に、健人はギョッとした。 「まさか。由宇くんのようなアンドロイドが、他にも……?」 「うん。由宇は元々、軍事用に開発されていた兵器なんだ」  健人は、声を失ってしまった。

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