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第三十九章  戦略決定!

『この子を選んでくれて、ありがとう。  名前は、由宇(ゆう)といいます。  どうか、幸せにしてあげてください』  乃亜が書いた、心の叫びにも似た手紙。  そして、望み通り幸せを掴んだ由宇が、目の前にいる。  愛する健人と共に。 「良かった。由宇は、幸せになれたんだね」 「はい。健人さんのおかげです」  二人の会話に、健人は顔を赤くして照れた。 「の、乃亜さんも幸せにならなきゃ!」  外へ出て、自由の空気をいっぱいに吸うんだ。 「圭吾さんと一緒にね!」 「うん。ありがとう、健人さん」  素直に微笑み、うなずく乃亜だ。  その姿に、圭吾は喜びを噛みしめた。  人の心をまるで理解できなかった乃亜が、こんなに素敵な笑顔を見せるようになったのだ。 「では次に、俺のアイデアを聞いてもらおうかな」  ひとりでに弾む声を隠すことなく、圭吾はデスクに手を置いた。  恋人と、二人の仲間に囲まれ、彼もまた希望の光を胸に灯していたのだ。

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