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「由宇が提案した、武装する、という策は良いと思うんだ」
「圭吾さんまで、そんな乱暴なこと言わないでくださいよ」
「必要以上の破壊行為は行わないよ。施設の人間を、人質にしてはどうだろう」
ひとまず健人と由宇はここから出て、ある程度の武器装備を用意する。
健人の財力と、乃亜が由宇へ送るデータとで、それは簡単なことだ。
「そして戦車で、この特別研究所へと殴り込みをかけてくれ」
「せ、戦車……殴り込み?」
「タイミングを合わせて、俺と乃亜は施設の要人を人質に取るから」
戦車の健人たちと合流した圭吾と乃亜は、自由と引き換えに人質の解放に応じる。
「こういう、作戦だ」
「やっぱり、過激なんですね!」
白い天井を仰いだ健人の耳に、乃亜の声が届いた。
「とても良い案だけど、却下」
「乃亜、どうして?」
「さっきも、由宇に言ったけど。兵器なら、この施設にもあるんだよ」
アンドロイドの由宇はともかく、生身の人間である健人は、攻撃の応酬でケガをする恐れがある。
「最悪、命を落とす危険性が……」
「僕は絶対に反対です!」
小さなこぶしを握りしめ、由宇は声を張った。
発案者の圭吾は、まるで形無しだ。
そんな彼を慰めるように、乃亜は言葉を継いだ。
「圭吾さんが提案した、人質を取る、という策は良いと思うんだ」
僕は、こう考える。
そう前置きし、乃亜がプランを発言し始めた。
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